

常に、白紙から考える。新宿住友ビルの大規模リニューアルも、ビル事業のこれからも。常に、白紙から考える。新宿住友ビルの大規模リニューアルも、ビル事業のこれからも。
ビル事業本部
山崎 敦史 2014年入社
※所属は取材当時のものです。
PROFILE
理工学部卒業。若い頃から責任の大きな仕事ができる会社を探す中で、住友不動産に出会う。入社の決め手は、OB訪問をした社員全員の“自身の仕事に誇りを持って語る姿”。入社2年目からビル事業本部に所属。新しいテナントの誘致、賃料の交渉、イベントの企画・運営管理など、一貫してビル管理・経営を手掛ける。2020年にリニューアルオープンした新宿住友ビルのプロジェクトにも携わる。

住友不動産を代表する
「新宿住友ビル」。
大規模リニューアルを成功へと
導いたのは、ゼロベース思考。
高層ビルが立ち並ぶ西新宿には、当社のフラッグシップである新宿住友ビルがあります。1974年の竣工当時は目新しかった展望レストランや宝石店街なども時代と共に変わるなど、長年、進化を続けてきました。そんな新宿住友ビルを私が担当することになったのは2019年。3年がかりの大規模リニューアルも終盤に差し掛かった頃でした。
新・新宿住友ビルの特徴は、何と言っても、最大収容2,000人の全天候型イベントホール「三角広場」。元々ビル前の空地だった場所に誕生した、天井高25mでガラス張りの屋内空間です。きっかけは、「空地に屋根をかけられないか…」という発想。なぜできないのか?実現させる方法は?とゼロベースから考え続け、約20年越しに実現したこの大空間でのイベント企画や、商業フロアへのテナント誘致などを私は任されたのです。
普通であれば、イベントはイベント会社に任せるでしょうし、テナントの選定も商業施設専門のコンサル会社に相談するでしょう。でも、住友不動産はそうじゃない。やはり大切にしたのはゼロベース思考。「一般的には…」という知識は取り入れず、すべて自分たちで決めました。飲食店の選定においては、近隣周辺ビルのテナントはもちろん、都内の人気店も足繁く通って吟味。良いと思う店舗があれば、そのまま店長に商談をしました。自分の中の「こんなふうにビルが愛されたらいいな」を叶えるために選定した店舗ばかりだからこそ、他のビルにない店舗ラインナップになりました。オープン後、周辺にタワーマンションも多いこのビルには、コロナの影響がある中、想像以上に多くの方にご来店いただいて、「山崎さん、こんなに来店してもらえるなんて…!」というテナントからの嬉しい知らせも届いています。

仕事のマニュアルは、一切無い。
参考にできる前例も、無い。
当社は、「新宿住友ビル」のような会社を代表するビルの経営を20代の若手にも任せる会社ですが、マニュアル等が用意されているわけではありません。誰かがタスクを渡してくれる環境でもありません。仮に前任担当者からの引き継ぎであっても、前任のやり方を考えなしに続けることはしない。「もっとこうできたんじゃないか?」と自ら考えて行動すべし、と先輩方から言われてきました。そんな当社では、人によって仕事の仕方が全く異なります。住友不動産に「こうすべき」はないのです。
加えて、この仕事は常に、世の中の変化を一足早く見極めることが求められます。特に今は、多くの企業が働き方を模索している状態。在宅勤務やリモートワークを一層推し進める企業もあれば、やってはみたものの同じ空間で働くことの重要性に気づいた企業もある。現状はどうしても在宅勤務にできないビジネスだってある。これからのオフィスビルのあり方は、間違いなく変わっていくことでしょう。これまでの常識が通用しない、新しい時代をいま迎えています。そこで私たちにできるのは、ただオフィス空間を提供するだけではなく、新しい働き方を提案することだと思うのです。クライアントの事業を知り、経営状態を知り、業界内での立ち位置、強み・弱み、今後のビジョンを知り、描く未来をカタチにできる働き方を共に考えていく。今までにないスピードで働き方が変わる今、きっと“これまで”はさほど参考になりません。つまり、先輩でも、経営陣でもなく、「住友不動産のビル」の新しい価値を自分がつくるチャンスであるわけです。当社のオフィスビル事業は今後も、業界の先頭を走り続けられるのか。そう試されている環境に、私は今、とてもワクワクしています。