東京都港区
元麻布の自然豊かな景観と先進的な建物が点在する場所に位置した本物件は、エリアの特性上、特に街並みとの調和を求められた。また、斜面地にある物件であるため、建物ボリュームを最小限に演出するために周辺で使用されている石垣の構えを継承し、基壇部に取り入れた。そして、建物上部の開口部のみ低層建物のデザインを加えることでも浮遊感を演出している。歴史を継承する石造りを利用し、建物による周囲への圧迫を軽減した、斜面地の特徴を活用したデザインとなっている。
地域との関係を建築の設計に落とし込むには、いくつかの考え方がある。地域のひとやコミュニティに注目する方法、文化的な特徴をデザインに落とし込む方法などだ。この建築がここで試みたのは、集合住宅などではあまり行われない、極めて即物的な「石垣の連続性」だ。これは前述した手法に比べて、おそらく目立つ販売文句にもなりづらいであろう一方で、実際にこの建築を訪れたときに感じられる周囲との連続感は、きっと感動的なのではないかと思う。決して派手ではないが、意思のはっきりした作品である。
受賞番号 | 20G150972 |
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受賞対象名 | グランドヒルズ元麻布 |
部門/分類 | 中〜大規模集合住宅 |
所在地 | 東京都港区 |
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総戸数 | 32 戸 |
構造 | 鉄筋コンクリート |
階数 | 地上5階建、地下1階建 |
竣工 | 2018年2月 |