東京都中野区
マンションの基本計画において、住戸計画や設備設計を先行・重視し、配管設備が廊下に雑多に露出され、居住性を損なうことが多々ある。この問題を解決するために設計プロセスを転換し、計画の初期段階から配管設備類を「外観を形成するコンテンツ」として捉え、ファサードデザインの一部に位置づけた。 弊社独自商品『S-マルチコア』システムを採用することで、配管設備類を「設備シャフト」に集約し、共用廊下の設備の乱雑な露出を防いだ。また、シャフトをルーバーで覆い、垂直を基軸としたデザインで外観を形成し、内外共に機能と意匠の両立を実現した。
集合住宅の設計をしていると、最後に困るのがメーターボックスや給湯器、空調の室外機の置き場である。毎回、最初からここを考えておけばよかったと頭を抱えるわけだが、本プロジェクトではまさに最初から設備シャフトを考えていて、むしろ設備機器シャフトのアイデアによって集合住宅が統合されている。住戸から切り離して設備が集約したシャフトを設けることで、廊下が美しくなり、バルコニーから室外機が減り、外観にも面白さや奥行が生まれ、設備機器の更新などのメンテナンス性も増している。このアイデアが普遍化してくと、日本の住環境はもっとよくなっていくナイスアイデアだと思う。このアイデアによって、住居内の平面計画、断面計画の自由度が上がってくるはずだから、次はもっと空間が伸びやかで多様になったプロジェクト展開を観てみたいという欲も出てくる。
受賞番号 | 20G150971 |
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受賞対象名 | セントラルレジデンス笹塚 |
部門/分類 | 中〜大規模集合住宅 |
所在地 | 東京都中野区 |
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総戸数 | 39 戸 |
構造 | 鉄筋コンクリート |
階数 | 地上11階建 |
竣工 | 2020年1月 |