東京都文京区
都心部のマンションは多様な人が住まう上に、近隣や道路に近接するためプライバシー確保が難しい。本計画では、「生活感の表出」を軽減するために、庇を伸ばして軒を深くデザインし、路上からの視線を遮ることでプライバシーを守りつつ、住居からは遠景のみが視界に入るように工夫されている。また、手摺の端に木ルーバーを設け、風も取り込みながら外部の視線から独立させ、外観意匠性も向上させている。さらに、「S-マルチコア」の採用により、外廊下から生活音と生活感を払拭する工夫をし、静穏でプライバシーの保たれた生活環境を実現している。
共同住宅では、積層することで顕在化する設備や構造の条件を、いかに解くかが大きなテーマである。多くの企業が競い合い、なかなか新しいアイディアが出にくくなっている中で、本計画の「S-マルチコア」はとても興味深い提案だ。 これは設備関係を合理的に解くアイディアだが、住戸の多様性や地域性といった個別階的なテーマとは異なり、多くの他のプロジェクトでも応用可能なアイディアである点は、グッドデザイン賞にふさわしい。
受賞番号 | 19G131014 |
---|---|
受賞対象名 | 共同住宅/シティハウス文京茗荷谷レジデンス |
部門/分類 | 中~大規模集合住宅 |
所在地 | 東京都文京区 |
---|---|
総戸数 | 72戸 |
構造 | 鉄筋コンクリート造 |
階数 | 地上10階建 |
竣工 | 2018年11月 |