住友不動産｜信用と創造

本計画は緑豊かな御殿山庭園に隣接し、都心に在りながら眼下には緑の森が広がる稀有な敷地に佇む集合住宅です。敷地内は庭園に隣接する敷地特性を生かし、街や庭園と住宅を繋ぐ中間領域となる半外部空間を積極的に活用。軒下空間として設えたアプローチや、奥行の深いバルコニーを半外部空間として庭園と繋がる空間を提案しました。さらに、敷地内の既存樹を庭園側に残し、庭園の自然との調和・共生を図りつつ、スケール感・色彩・素材等を十分吟味し、地域景観を保全する計画を行いました。

審査員コメント

一面が道路、一面が庭園という恵まれた立地特性を最大限に生かした集合住宅である。特に庭園側に設けられたバルコニーは、扁平梁などの構造的な工夫やゆとりある奥行きの効果もあって、集合住宅とは思えない「外の部屋」とも呼べる空間となっている。さらに敷地内に施されたランドスケープデザインやアプローチの半屋外空間、緑に包まれたエントランスホールなどが連携し、どこにいても都心とは思えないほど豊かな自然環境を享受できる場となっている。敷地の文脈を生かすという設計の基本に誠実に取り組んだからこそ生まれた豊かさである。