東京都千代田区
本計画地は密に雑居ビルが立ち並ぶ街に位置する。そこで、単にエントランスを建物下に組み込むのではなく、別棟にすることで街に隙間を提供。さらにエントランス自体も目線が通り抜けるように圧迫感のある景観の修復に努めている。さらに、別棟としたエントランスには、立体ビスタ空間の考え方を取り入れ、手前が広く、奥に行くにつれ幅が狭くなるメガホン型の遠近効果を採用。幅の狭い場所でも奥行きを感じられる空間を演出した。また、エントランスの先にある吹き抜けにより視線を奥の窓へ誘導し、隙間なく立ち並ぶビルの中に抜け感を生み出している。
よくある規模誇示型マンションのエントランス共用部付近のデザインが威圧的、あるいは過剰に「立派」になりがちであることとは対照的に、この作品のエントランスは住戸を内包するボリュームから分割された独立棟のように扱われており、そのサイズは周辺建築物の大きさや肌理感に揃えられていて馴染んでいる。玄関というものは、その居住者の思想的な本質を「構え」として周囲に表明することになるが、このような地域への態度は、しばしば「マンション族」対「地元住民」と表現される軋轢を解消し、関係を良好なものとすることに役立つことだろう。
受賞番号 | 19G131016 |
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受賞対象名 | 共同住宅/シティハウス千代田外神田 |
部門/分類 | 中~大規模集合住宅 |
所在地 | 東京都千代田区 |
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総戸数 | 93戸 |
構造 | 鉄筋コンクリート造 |
階数 | 地上13階建 |
竣工 | 2018年12月 |