東京都品川区
本計画では、外廊下の設備配管に機能的且つデザイン性に優れた『S-マルチコア』を導入し、外廊下の価値観を一転させた。廊下幅の拡張は、ベビーカー等のスムーズな運用だけではなく、住人同士が自然に交流する場になった。また、設備シャフトをデザインし、道路から建物内が見えない様にプライバシー性を高めるなど、外廊下集合住宅の欠点を解消し、安心して住める建物となっている。廊下設備類は「埋め込んで隠す」ことが一般的でメンテナンスしづらいが、本計画では廊下からの直接点検を可能とし、メンテナンス性を飛躍的に高めている。
従来のマンションでは玄関や窓まわりに設置していた各種配管、メーター類、空調室外機等を、共用廊下の屋外側にマルチコアとして集約。扉のついたマルチコアはすっきりとした共用廊下を創り出し、外観の要素にもなっている点が高く評価された。従来よりも幅広くなった共用廊下には、あらかじめベンチを設置し、玄関先で立ち話ができるような居場所を創ることもできるのではないだろうか。「居住者に限らず様々な人が利用する集合住宅の廊下は半公共空間である」という応募者の言葉通り、今後も共用廊下から小さなコミュニティを育てる試みを続けてほしい。
受賞番号 | 21G121127 |
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受賞対象名 | シティハウス品川サウス |
部門/分類 | 建築(中~大規模集合・共同住宅) |
所在地 | 東京都品川区 |
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総戸数 | 66戸 |
構造 | 鉄筋コンクリート造 |
階数 | 地上 18階 |
竣工 | 2020年3月 |